「トゥー・ルームス/ベアリアス・アーティスツ」 91年 評価 4


 エルトン・ジョンの曲を豪華なアーティストたちが取り上げた企画盤で、合計16曲が収録されている。ザ・フー、ビーチ・ボーイズといったビッググループから、ティナ・ターナー、ロッド・スチュワート、ジョー・コッカーといった大御所ボーカリスト、ケイト・ブシュ、エリック・クラプトン、ホール&オーツ、フィル・コリンズ、ジョン・ボン・ジョヴィ、ジョージ・マイケルまで、なんといっても参加アーティストの豪華なこと。

 彼らがエルトンのヒット曲を歌い,演じるのだから聴き応えがある。また、同時期にこのアルバムのメイキングの番組も放送され、これもまた見応えがあった。

 特に素敵なのはウィルソン・フィリップスが原曲のシンプルさを損なわずに美しくコーラスで表現した「ダニエル」、ジャズ風のアレンジで、「僕もいつかはこんな素晴らしい曲を作りたい」と思い入れの深さを語ったスティングの「遅れないでいらっしゃい」、ほぼアカペラで感情豊かにシンニード・オコナーが歌い上げた「サクリファイス」。ただ、やっぱりオリジナルのほうが良いというのは事実で、そこでもエルトンの偉大さを感じてしまう。