「ザ・ワン/エルトン・ジョン」 92年 評価3
前作から3年と、エルトンにしてみれば長いインターバルであったが、この間に薬中、過食症等と戦っていたらしい。それらとの戦いを経て製作された本アルバムではあるが、良くも悪くもそういうことを感じさせないいつものエルトン節である。
前作で歳相応の重みを加えた楽曲群ではあるが、特にミドルテンポの曲で、どこかで聞いたような、同じようなテンポのものが多い。またアルバムとしての流れも今までと同じで目新しさがない。あまり存在価値のないアルバムと言えよう。
ただ、本作には90年代の名曲といえる「ザ・ワン」が収録されている。一聴では地味な曲なのだが、聴けば聴くほど味わい深い渋いメロディで、バーニーの詩も素晴らしい。