「ライヴ・イン・オーストラリア/エルトン・ジョン」 87年 評価 4


 エルトン3枚目のライヴ盤は、80人を超えるメルボルン・シンフォニー・オーケストラとの夢の共演。まさに今までのロックの概念を変える荘厳さを感じさせる1枚。

 オーケストラとの共演だけあって、選曲は初期のアルバムからのものが圧倒的に多い。エルトンの初期のアルバムは、クラシック出身だけあって厳かさと格調高さを持ったイギリス的なロックを感じさせたもので、本作ではいつものライヴでは聴くことの出来ない名曲「驚きのお話」や「君は護りの天使」などが完全な形で聴ける。特に「僕の瞳に小さな太陽」のオーケストラとの大盛り上がりは鳥肌さえ立つほどで、このライヴを観れなかったことが悔やまれてならない。

 惜しむらくは、この頃エルトンの喉の調子がかなり悪く、総てかすれがちで高音がでなかったことで、それさえなければ歴史に残るライヴパフォーマンスだったに違いない。