「レザー・ジャケッツ/エルトン・ジョン」 86年 評価 3


 前作で久々にプロデューサーに迎えたガス・ダッジョンが、本作もプロデュースを担当。しかし前作のアウトテイクが多く使われているようで、プロデュースらしいことはされていない。

 82年『ジャンプ・アップ』以降、クリス・トーマスとアダルトコンテンポラリー路線を確立してきて、前作『アイス・オン・ファイア』でちょっと温かみのあるサウンドになり、さてこれからどうなるかと興味があったが、やはり、すでに終わったプロデューサーでしかなかったガスの能力はこんなもん、と痛切に感じさせる出来。すでに40目前のエルトンに軽々しい音でただのポップスをやらせてしまい、せっかく築いたアダルト路線をぶち壊し。

 ろくな曲がひとつもないし、個々の曲がばらばらに並んでアルバムとしての存在価値もない。エルトンのアルバムの中でワースト5に確実に入る駄作。