「アイス・オン・ファイア/エルトン・ジョン」 85年 評価 4
エルトンの第二期黄金時代に、第一期黄金時代のプロデューサーであったガス・ダッジョンを迎えて作った作品で、これまでのクリス・トーマスプロデュース作品とは趣を変えている。
しかし、エルトンとの決別後の作品で成功を収められなかったガスは当時経済的に窮地に立たされており、それをエルトンがすくうためにプロデュースを依頼したという側面もある。
その結果、温かみのある音にはなったが、過去の作品に似たアレンジ、少々時代遅れの音という印象もぬぐえない。しかし、当時エルトンの作曲能力は絶好調で、「悲しみのニキタ」をはじめ、なかなか聴き応えのある曲が並ぶ。
「悲しみのニキタ」はPVがよく出来ていて、歌詞の内容にあった寒々しい雰囲気の中、ニキタ役の女優がきれいだったのがとても印象に残っている。
ちなみにエルトンはこの頃植毛を始めていたが、当時の技術ではみすぼらしいというのが正直な感想だった。