「ヴィクティム・オブ・ラブ/エルトン・ジョン」 79年 評価3


 『トム・ベル・セッションズ』(レコーディングは『シングル・マン』より前)の流れを汲み、完全なるディスコサウンドとして発売されたのが今作である。プロデューサーにはドナ・サマーをブレイクさせたピート・ベロッティを起用し、一応その筋の音としては徹底している。

 作曲も演奏も総て人に任せ、エルトン自身は歌うことに徹している。エルトン自身は歌もうまい人で、それはそれでよいが、当時巷にあふれていた音であり、何もエルトンがやらなくてもいいのでは?というのが率直な感想。

 作品的には悪くはないが、70年代後半のディスコサウンドというのはやはり古臭く感じてしまうもので、今となっては好んで聴くものではない。