「シングル・マン/エルトン・ジョン」 78年 評価3


 今までのパートナーであるガス・ダッジョン(プロデューサー)、バーニー・トウピン(作詞家)と袂を分かち、表題どおりの"シングル・マン"となって新規一転発表したアルバム。2作前の『ロック・オブ・ザ・ウェスティーズ』までのアメリカ的なロックと比べ、かなり英国的な雰囲気が強い。

 75年までの天才ぶりがそのまま続くわけはなく、どこかで方向転換が必要であったのだが、転換先を模索していた本作からしばらくは迷走していたといわざるを得ない。今までのスタイルを破るために躍起になっているというか、まだ自分のものになっていないジャンルの曲調で埋め、また、今までのバーニーが作詞→エルトンがメロディをつけるという作業形態が変わったのか、メロディ的に意外性がなく当たり前の流れで曲が進んでいく。

 はっきり言って、エルトンのアルバムをほとんど総て持っているから消していないというもので、次に聴くのはいつかわからない。