「グレイテスト・ヒッツ VOL.2/エルトン・ジョン」 77年 評価4


 74年に最初のベストアルバムが出ており、そのわずか3年後にVOL.Uが発売されたのは、エルトンが自身のレーベルを作ったため、それ以前のレコード会社が急いで作ったという事情がある。

 対象としているスタジオアルバムは74年『カリブ』(前ベスト盤でも「僕の瞳に小さな太陽」が収録)から76年『蒼い肖像』までの4作。それらのアルバムから5曲となぜか『VOL.T』とだぶる「ベニーとジェッツ」及びシングルとしてのみ発売された4曲からなる構成。

 個々の収録曲のチャートアクション的には、アルバム未収録のシングルヒット4曲のうち3曲及び「アイランド・ガール」「ベニーとジェッツ」の5曲がNo.1で、『VOL.T』より派手。しかし、そのうち75年「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンド」はもちろんビートルズのカバーで、自身の勢いとジョン・レノンがバック・コーラスで参加という話題性に後押しされたものだし、B面の「今夜はこわいぜ!」「ピンボールの魔術師」あたりではやはりピークをすぎた印象はぬぐえない。また、対象アルバムが重なっていることや前ベスト盤と同じ曲が収録されていたり(再発盤では曲目が変わっており重なりはない)と、無理矢理作られたアルバムという感じがする。

 アルバム未収録のNo.1ヒットが多いのでコレクションとしてとっておくという感じかな。