「蒼い肖像/エルトン・ジョン」 76年 評価4
『ロック・オブ・ザ・ウェスティーズ』のあと、ライヴ盤『ヒア・アンド・ゼア』をはさんで発表された11枚目のスタジオアルバム。本作を最後に、ずっとパートナーを組んでいたバーニー・トウピンと一時期袂を分かつことになる。
全18曲中3曲がインストゥルメンタル。6曲がバラード、3曲が今までの流れを汲むノリの良いロックナンバー、6曲がミドルテンポで今までと趣を異にする実験的ともいえるナンバーという構成。さらに8曲は5分以上の長作。ピークを越えた後に作られたことを象徴するかのようにトータル性のない内容になっているが、個々の曲はミドルテンポのナンバーを除けば悪い出来ではない。特にバラードはほとんど暗い内容ではあるが曲としての完成度は非常に高い。
しかし、アルバムとしてのトータル性のなさは今までその性質の高さが図抜けていたこともあって、非常に違和感のあるもので、このあとエルトンは低迷期を迎えることになる。