「アウト・オブ・ザ・ブルー/エレクトリック・ライト・オーケストラ」 77年 評価3
エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)全盛期の1枚で、発売当時は2枚組だった。全英・全米アルバムチャートで共に第4位を記録。
Wikipediaには、ELOは1970年代の米国で最も多くのビルボード40位以内のヒット曲を放った(13曲)ことがギネス認定されているという記載があるが、これに私は著しく違和感を持った。ELO全盛期の本作を聴いてもとてもそのようなポテンシャルがあるとは思えないし、名曲と言える曲もない。それに、70,80年代の洋楽バカの私ですら70年代の彼らの曲を1曲も知らないのである。そこで調べてみると、なんてことはない。70年代最高のスーパースター、エルトン・ジョンは70年代に25曲のトップ40位内のヒット曲がある。Wikipediaの記載には、明らかに「イギリス出身」「グループ」というような条件が付かないとおかしいのである。結局Wikipediaの情報もいい加減ということ。
今回初めてELOのアルバムを聴いてみたが、ストリングスとシンセサイザーを多用した音はグループの個性を感じさせるものの、全体的な曲構成とコーラスはビートルズに似すぎていることが気になるし、全体を通して印象的なメロディをもつ曲はほとんどなく、しばらく期間が過ぎると思い出せない曲ばかり。また、軽い音質の楽器のやかましさにインパクトのないジェフ・リンの声質が乗って、ボーカルとしての魅力も感じないので、正直、「当時は流行ったよね」で済まされてしまうような内容。
ELOはこれまで米国でのベスト10位内は6曲のみで、最高位は次作からのシングル「ドント・ブリング・ミー・ダウン」の4位ということが象徴するように、名曲と後々まで継がれるものはないという印象。