「ドアーズ/ドアーズ」 67年 評価 3.5
ドアーズのデビューアルバムで「ハートに火をつけて」収録。ヴォーカルのジム・モリソンの凄まじいカリスマ性を前面に出したこのバンドのデビューはまさに衝撃的だったわけで、71年にモリソンが変死したこともあり今でも伝説的なバンドとして語り継がれている。
詩人でもあるモリソンのカリスマ性と本能的なヴォーカルが最大の魅力であることは疑いようがないが、それだけでは何曲ものヒット曲は生まれなかったはずで、主なヒット曲の作曲を担当したクリーガー(ギター)、独特のキーボード・プレイによりヨーロッパ的な雰囲気を出したマンザレク、独特のリズムをつむぐデンズモア(ドラム)という3人のメンバーの果たした役割も大きい。それは本作のNo.1ヒット「ハートに火をつけて」の中間の各ソロプレイや14分近い大作「ジ・エンド」のジャズ的な即効性も取り入れたインストルメンタル部分などで明らかである。
ただ、デビュー作である本作は、A面はバラエティに富んでいて良いできだが、B面は同じような曲が多く、総合評価では3.5になってしまう。
私がドアーズを聴き始めたのは映画「ドアーズ」(主演のヴァル・キルマーにとっては唯一まともな映画)を観てからである。その強烈な内容とジム・モリソンの本能的な生き様に衝撃を受けたからである。若いとき、その生き方はある種憧れでもあったのだが、今となってはそれは憧れのままで良くて、あの時と同じ感情でこの音楽を聴くことは出来ないというのも事実ではある。