「ダイアモンドの犬/デヴィッド・ボウイ」 74年 評価4


 ジョージ・オーウェルの近未来小説「1984」にインスパイアされ、この作品をモチーフに作り上げたコンセプショナルな作品。また、テキストをランダムに切り刻んで新しいテキストに作り直す「カットアップ」という手法を用いた歌詞としている。

 奇抜なアルバムジャケットからも感じられるように、混とんとした怪しげな近未来の雰囲気が特に旧A面(1〜6曲目)で感じられる。一方、B面はそれほどコンセプト的でもないが、なかなか個性的でかつ、かなり一般受けしそうな曲調のものが多い。

 ボウイらしいが奇抜でも結構聞きやすい内容。また、私の聴いた1990年の再発盤には2曲のボーナストラックが入っていたのだが、この2曲がなかなかいい。