「シーズ・ソー・アンユージュアル/シンディ・ローパー」 83年 評価4.5
シンディ・ローパーのデビュー作であり、セールス、出来栄えとも彼女の最高傑作である。本作から4曲が全米TOP10入りした。
オレンジ色の髪に奇抜なファッションとメイクといういでたちで、”色物”扱いされてはいたが、それでも時代に埋もれない良さが本作にはある。苦労人で、やさしく正直な彼女の人柄からか、次作では本作にあった勢いがなくなってしまい(私もすでに消去済み)、正直一発屋という印象になってしまっているの淋しいが。
単調なシンセサイザーの多用がチープ感を感じさせることは否めないものの、バラードの「タイム・アフター・タイム」「オール・スルー・ザ・ナイト」のメロディの美しさと感情豊かな彼女の歌唱、「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」「シー・バップ」の今となっては懐かしさも感じるノリのよさ、「マネー・チェンジズ・エヴリシング」「ホエン・ユー・ワー・マイン」の力強さなど、曲自体のクオリティはとても高く、またアルバム全体としてのトータル性も取れている。聴いていて心地よいし、ほとんどの曲のメロディ自体は流行に流されない名曲として扱え、80年代前半を代表する名盤と言えるだろう。