「遥かなる影/カーペンターズ」 70年 評価3.5
カーペンターズがカレンの拒食症による死から20年以上たった今も確固たる地位と不動の人気を得ている要因は、もちろん第一にはカレンのボーカルだが、それとリチャードのアレンジ能力に加え、忘れてならないのが優れたソングライターから提供された曲の存在であろう。カーペンターズ自体はあまり曲を作っていない。そのため、アルバムにはカバー曲がすごく多い。それも他の人が歌ってあまりヒットしなかった隠れた曲が多い。
普通、このようなシンガーはいずれ消えてしまうものだが、今、この地位にあるのはグループが比較的早く、必然的に消滅せざるを得なかった点と、やはり、カレンのボーカルによるものだろう。本作はカーペンターズの2作目で、まだグループとしての方向性を試行錯誤している段階。よって、カレンのボーカリストとしての魅力を十分生かしきっているとはいえないのだが、ヒットした「遥かなる影」「愛のプレリュード」はその素晴らしさを存分に堪能できる名曲だ。