「24Kマジック/ブルーノ・マーズ」 16年 評価3.5


 ブルーノ・マーズの3作目で、前作から4年が開いている。相変わらずの短めの9曲で、全てで34分にも満たない。

 4年の間が空いたが、正直、何か成長があるとか音楽の幅が広がったということはない。相変わらずの聴きやすいポップスが展開し、確かにバックグランドで流れていたら心地よいし、ノリはいいし、まったく生活のストレスになることはない。そのような聴き方をするのならとても良いアルバムといえるが、それは私の聴き方と相いれない。

 結局ポップスというジャンルは、マイケルやプリンスなどの開拓者がやりつくした感のある2000年頃以降、何も発展していない、しようがないことがわかる。マイケルが90年代以降にやったことから、種類は増えても進歩する方向には向かってない。

 メロディ的にいいものを書くし決して悪い内容ではないのが、ブルーノの場合、歌詞が全く陳腐というのがどうしても安っぽく感じてしまう元凶となっている。ほぼどの曲も「お前を愛している」とか「素晴らしくセクシーだ」とか、ありふれた感情表現ばかりで、歌詞を読み返そうという気が全く起きない。

 なお、私はどの曲がシングルカットされたか知らずに聴いていたのだが、いいなと思った3曲のうちの2曲がシングル曲だとあとで知った。つくづく私の嗜好は一般的に売れるような曲に近いということだ。