「ボーン・イン・ザ・USA/ブルース・スプリングスティーン」 84年 評価4.5
ボスことブルース・スプリングスティーンの7作目のアルバムで、本作により一気に世界的なロックン・ローラーと認識されるようになった。私は83年から洋楽を本格的に聴き始めたから、前作の『ネブラスカ』(82年)が地味な内容であったことからもブルースは全く知らなかったわけだ。それがいきなりものすごい鳴り物入りで発売とチャートを暴れまくったので、「な、なんだこいつは・・・」と思ったものだ。結果的に本作は、あまりにコマーシャル的だと評されることもあるのだが、全世界で2000万枚も売り上げ、多くのファンを獲得したことは間違いない。
全12曲、平均4分弱という曲が畳み掛けられる。ほとんどがとっつきやすいシンプルなロックあり、全体を通して素晴らしい疾走感であり、純粋なロックの完成形がここにある (かなりの曲のイントロが後の尾崎豊の曲に影響を及ぼしている) 。ただし、年をとってくるとなんとなく聞き飽きてくるというのも本音。
本作が素晴らしかったので、何作か過去にさかのぼったり、このあと2作ぐらい聴き続けたのだが、前はあまりにアメリカンロック過ぎて、あとはあまりにブルース、ロックのルーツを追及しすぎて、アルバムとして聴くほどではなかった。私にとっては本作が最も衝撃的でかつとっつきやすいアルバムだったわけだ。