「ウォーク・オン/ボストン」 94年 評価3.5
76年のデビュー以来18年目にして4枚目のアルバム。結局今現在(2006年)、ボストンは30年間で5枚のオリジナルスタジオアルバムしか発表しておらず、平均8年に1作のペースという寡作であることと、ハードロック系のバンドでありながらライヴ活動を一切行わないというまさに唯一のバンドである。
という特殊な経歴を持つグループなのだが,音を聞くだけで明確にボストンとわかるというエスタブリッシュされたバンドであることも事実。重厚な音の編成でありながらミディアムテンポでメロディアスな楽曲群は単なるハードロックではないことを主張するし、インストルメンタルの完成度の高さもプログレという側面を証明している。
ただ特に減点材料はないのだが,元来リ−ダーであるトム・ショルツのワンマン的な側面があり、メンバーが一定しない(特にボーカル)ということにも起因しているのだろうが、深みという点で物足りない部分はどうしても感じてしまう。