「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド/ビートルズ」 67年 評価4.5
いわずと知れた、ビートルズが、というよりロックが生んだ音楽界の不世出の大金字塔。音楽的には初のコンセプト・アルバムと扱われることが多い。
前作『リボルバー』までで完成しつつあった音楽性、実験性、革新性は「架空のロックバンドのショー」というコンセプトの基にひとつにまとめられた。どの曲がなくなってもこのアルバムは成立しないといえるほどのトータル的に完璧な出来である。
近年は、ポールの作品が多いためポールのソロ・アルバムという論評もあるし、個々の曲は確かに秀でているわけではないが、当時このアルバムを届けられたリスナーやミュージシャン達に与えた衝撃がすさまじかったことは容易に想像がつき(ビーチ・ボーイズはつくりかけのアルバムを放棄してしまったという逸話もある)、間違いなく時代のターニング・ポイントになる作品である。
ただし、そのような付加価値を無視すると、音は荒いし、正直、曲的に好きなものが多いわけではないため、5点はつけられない。