「ラバー・ソウル/ビートルズ」 65年  評価4


 ビートルズがアーティストとしての活動までも視野に入れ始めた6作目。なんとなく地味な感じがするがトータル性があり、よくよく聴くと佳曲が多い。

 今の時代と比べればもちろんシンプルな感じはするが、「ドライブ・マイ・カー」のベースやパーカッション、ピアノの印象的な使い方、「ノルウェーの森」のシタール、「消えた恋」の即行的なギターなど、聴けば聴くほど味が出る音作り。目立つ曲が少ないので「ヘルプ」より評価点は低いが、アルバムとしてはこちらのほうが出来がいいし、好きだ。

 そして、ジョージもいよいよ本格的に曲作りに参入。その作品はジョンとポールにも決して引けをとることはない。ここに天才3人が集結するという前代未聞のバンドが完成した。

 「イン・マイ・ライフ」は多くのミュージシャンが取り上げる名曲で、その歌詞も素晴らしい。「ミッシェル」も有名だが、前述の「ドライブ・マイ・カー」がシンプルで凝っていて、とてもかっこいい。