「グレイテスト・ヒッツ VOL.U / バリー・マニロウ」 83年 評価4


 バリーの人気に陰りが見え始めた79年「ワン・ヴォイス」から82年「ヒア・カムズ・ザ・ナイト」(何の変哲もない凡作で,すでに消去済み)までの4作から8曲、アルバム未収録の新曲3曲の計11曲からなるベスト盤。これだけの短い期間から選出されているのでベスト盤のありがたみは薄い。

 しかしスローテンポの曲はやはり良く、バリー人気の凋落はミドル&アップテンポの曲にバリー色がなくなったことが主要因であることが如実にわかる。新曲「涙のラストレター」は、当時この曲と「愛の翳り/ボニー・タイラー」「渚の誓い/エア・サプライ」の3作を同時期に出したジム・スタインマンの作品で,その異様なまでのドラマチックな盛り上がりは耳に残り、他の2曲のようにNo.1にはなれなかったけれども、バリー年代の名作といえよう。