「バリー/バリー・マニロウ」 80年 評価3.5


 前作の路線を踏襲するとともに、残念ながら個性がさらになくなった作品。この作品で、名作「愛と微笑の世界」以降、確かに輝きを失いつつあることが白日になった。

 A面は名曲「悲しみをこえて」もあり、なかなかの出来だが、B面がいけない。リリー・トムリンという女優とのデュエット「ザ・ラスト・デュエット」は聞いてて腹立ってくるくらいだ(女優の声がとても歌を聞かせるレベルの声ではない)。何とか消去されないぎりぎりのレベル。

 でもこのアルバムを聴いていて感慨深いのは「バミューダ・トライアングル」で、小学生か中学生のころ、家族でスキーに行ったとき、そのゲレンデでよくかかっていた。当時の遅々としたリフトに乗りながら聴いたこの曲のメロディが記憶に残っており、本アルバムを初めて聴いたとき、なんともいえない懐かしさを感じたものだ。