「ワン・ヴォイス/バリー・マニロウ」 79年 評価4
傑作「愛と微笑の世界」から2年後に発売されたスタジオ・アルバム。残念ながら、ピークをすぎてしまった感はぬぐえない。
悪い出来ではない。A面は「二人でスロー・ダンス」「人生は航海」など佳曲も多くいい出来。B面はまずまず。しかしこれ以前のアルバムとの決定的な違いは洗練されすぎたこと。前作まではニューヨークの匂いと感傷的な傷つきやすさというものがあり、曲の情景までも思い起こさせたのだが、本作にはそれらが、ない。つまるところバリーらしさがなくなり、これなら誰が歌っても同じという印象。
好きなアーティストであり、傑作の次のアルバムなので辛口になるが、アルバム自体としては評価4は与えられる内容。