「想い出の中に/バリー・マニロウ」 76年 評価3.5


 バリーの4作目で、基本的に既定路線を踏襲したものであるが、彼自身の曲がシングルヒットした2曲を除く9曲全てとぐんと多くなっている。

 正直言うと、この作品では自身の曲がいまいち変化に乏しく、前作ほどの完成度はない。売れ始めた多忙な時期で、年1作のペースで自分の曲を書くにはまだ未熟だったということか。

バリーのヒット曲は例外なく、静かに始まって後半盛り上がっていくバラッドであるが、メロディがしっかりしていて、覚えやすく、歌いやすい。このわかりやすさが、現代では懐かしい。シングルヒットした「ニューイングランドの週末」もその範疇に入り、個人的にとても好きな作品。