「X-MEN」 00年米 評価4(5点満点) メジャー度5
監督:ブライアン・シンガー
出演:ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、イアン・マッケラン他
近未来。突然変異で特殊な能力を持つようになったミュータント。その能力ゆえ人間からは特異な目で見られ、危険であるがゆえ隔離しようという社会の動きがでる。そんな人間との戦争を仕掛けるマグニートー率いるミュータント軍団と、平和的共存を望むプロフェサー率いるミュータント軍団の戦いを描いたコミックの映画化。
公開当時、著名な俳優が出てなかったこと、日本になじみのない原作コミックであったことからB級アクション映画という印象をもっていたが、監督が「ユージュアル・サスペクツ」のB・シンガーであること、後に主役級に成長するヒュー・ジャックマン、ハル・ベリーが出演していること。「X-MEN2」が雑誌「TV Taro」で特集されていたことから見てみようという気になった。
評判になっただけあって、そこらのアクション映画とはちょっと違う。それは、ミュータントとはいえ万能の超人ではないからだ。ある能力に優れているだけで、それ以外は普通の人間である。そこが、チームを組んで戦わなくてはならない必然でもあり、弱さも併せ持つからこそのある種の共感さえ生むことになる。監督が傑作「ユージュアル〜」の監督であることからも群像の中の個人を描くことに長けており、それぞれの描写もなかなか上手だ。強いて言えばこれだけの中身を100分にするのはもったいない。120分ぐらい使っても良かったのではないか。
なぜローガンが鉄の骨格を埋め込まれたのか、なぜ元々仲間だったマグニートーとプロフェッサーが敵対するようになったのかなど、多くの疑問やその後の展開への期待を抱かせて「X-MEN2」に引き継がれる。見てみたくなったぞ。