「ネットワーク」 76年米 評価3(5点満点) メジャー度2
監督:シドニー・ルメット
出演:ピーター・フェンチ、フェイ・ダナウェー、ウィリアム・ホールデン他
中堅テレビ局UBSの夜のニュース番組キャスターであるビールは、長年その座にいたが、昨今の視聴率低下を理由に解雇を言い渡され、ショックでノイローゼとなったビールは番組で自殺を予告する。それが発端となり視聴率は上昇。また、ビールの異常振りを逆手にとった番組構成で視聴率はうなぎのぼりとなった。彼を利用する敏腕女性プロデューサーと、ビールの旧友である報道部長、親会社から派遣された役員などを絡ませテレビ社会の異常さ、怖さを浮き彫りにした作品。
「十二人の怒れる男」「セルピコ」「狼たちの午後」などを監督した社会派のシドニー・ルメットは好きな監督であり、本作でアカデミー主演男優、女優賞、助演女優賞、脚本賞をとったとあって、期待して見たのだがどうもいまいち。役者が受賞した各賞は、特異な人間を演じたアドバンテージが大きいし、当時流行であった救われない悲劇性を描くためにどうも話の筋が釈然としない。脚本賞をとった割に名作という評価がないのもその辺の理由によるものだろう。