「007 ワールド・イズ・ノット・イナフ」 99年英・米  評価3(5点満点) メジャー度4

監督:マイケル・アプテッド
出演:ピアース・ブロスナン、ソフィー・マルソー、ロバート・カーライル他

 中東の石油を欧州に送り込むためのパイプラインを独占しようとする石油王の娘とその一味は、その目的を果たすためカスピ海で核爆弾を爆発させようともくろんでいる。それを阻止しようとするジェームズ・ボンドとの戦い。それまでの数作の内容より単純な構成になっている。

 敵役マルソー、カーライルという曲者を配したこともあってなかなかの出来栄え。最新作の「ダイ・アナザー・デイ」でもそうだが、アクションや新兵器だけではもう目新しさはなく、ボンド一人の魅力ではやっていけないことに気付いたのだろう。共演者に2,3人人気俳優を配することで映画としての魅力をUPさせる作戦が効をそうしたといえる。

 しかし、ラストで原子炉を爆発させるためにプルトニウムの棒を原子炉に挿入する関連の格闘があるが、原子力に携わるものとして見ると、これがあまりにもちゃっちい。素手でプルトニウム棒を扱うなよっ!運転中の原子炉にそんなに近づくなよっ!あれじゃとりあえず生き長らえたとしても数日後に君は死ぬよ、ボンド君。