「ザ・ハリケーン」 99年米 評価3.5(5点満点) メジャー度2
監督:ノーマン・ジュイソン
出演:デンゼル・ワシントン、ビセラス・レオン・シャノン他
1960年代中ごろ、ウェルター級の世界チャンピオンになったルービン・ハリケーン・カーターは人種偏見から殺人犯に奉り上げられ、終身刑となった。何度も無実を訴え、彼を助けるために何人もの有名人が彼を応援したが無罪にはならず。彼自身もあきらめかけていたところ、一人の純粋な少年との交流から生まれた運動と彼自身のやる気で、ついに20年後に無罪を勝ち取ったという実話の映画化。
今年アカデミー賞を受賞したデンゼルの動と静の演技の対比も見事だし、監督が「シンシナティ・キッド」「屋根の上のバイオリン弾き」等名作を手がけた老匠であり、一級の人間ドラマとなっている。もちろん最後はハッピーエンドなのだが、こんなことが実際に起こるというのもアメリカらしい。ちょっと突き抜けるものはないが、全てに平均点以上の映画といえる。
私はかなりボクシングが好きだが、ルービンの事は知らなかった。しかしエミリー・グリフィスという60年代ウェルター級の名チャンピオンを下したということから相当強かったのだろう。このルービンのボクシングを志した経緯、投獄当初の不屈の精神は、もしこの映画を若いときに見ていたらもっと感銘しただろうと思わせる。