「史上最大の作戦」 62年米  評価3.5(5点満点) メジャー度2

監督:ケン・アナキン、ベルンハルト・ビッキ、アンドリュー・マートン他1名
出演:ジョン・ウェイン、ロバート・ミッチャム、ショーン・コネリー他

 第2次世界大戦中の最大級にして無謀のノルマンディー上陸作戦を壮大なスケールとオールスターキャストで描いた力作。英、独、米、仏の撮影シーンをそれぞれ別個に4人の監督が演出したことで、3時間という長編だがメリハリの利いた内容となった。意外なのは、この時代の大作で、これだけのスターを使っていながら(上記以外にもヘンリー・フォンダ、ポール・アンカなど)、出演者主体のヒロイズムに陥らず、淡々と事実を描いている点。

 特撮がない時代に良くぞこれだけ壮大なスケールで描いたものだ。確かに戦闘自体の惨さ、戦闘員一人一人の恐怖については「プライベート・ライアン」に及ぶべくもないが、海外線一帯に広がる上陸作戦や、市街戦を上空からなめるように追撮していく映像は圧巻である。ラストがあっけないのが残念だが、この時代、二度とは作ることが出来ない映像には十分価値がある。