「天空の城ラピュタ」 86年日  評価5(5点満点) メジャー度5

監督:宮崎 駿
出演:アニメ

 この映画を見るのは3回目。宮崎駿の映画のなかで,一番好きな作品である。宮崎映画に共通するのは,「目にみえないものの中にこそ大切な物がある」,「信じる者だけに真実が見える」ということだろう。「ナウシカ」では王蟲と話すことによってナウシカは真実を悟るし,「トトロ」でも信じる子どもだけにトトロは存在する。この「ラピュタ」でもラピュタを信じ続けたものだけが,その存在を知ることとなる。

 宮崎の主張は,どこか「星の王子さま」の「本当に大切なものは目には見えないんだよ。心でしか見えないんだよ」に通じるものがあり,私もいつまでもその感覚に感動できるような大人であり続けたい。そういえば,初めてこの映画を見たとき,入道雲を見るたび,あの中にラピュタがあるかもしれないと考えたものだった。

 その後、子供たちとともに何十回も(断片的にだが)見ているが、全く子供たちはもちろん、私も飽きない。その要因はどこにあるか。夢のあるストーリーはもちろんだが、特に感心したのが音楽の使い方と目くるめくアクションシーンの連続とストーリーをつむぐ場面の静動の切り替えの見事さ。映画的に全く欠点のない映画で、純粋に楽しめるできにもなっているし,アニメでしか表現できないものがそこにはある。アニメ映画の最高峰。