「トレインスポッティング」 96年英 評価4(5点満点) メジャー度2
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー、ユエン・ブレンナー、ロバート・カーライル他
レントンを含む5人の仲間たちは一人を除いてヘロイン中毒である。彼らは窃盗を繰り返し、それで得た金でまたヘロインをやるという荒みきった生活。ヘロインをやめようと決心し、ロンドンに働きに出るレントンだが、そこに指名手配された仲間の一人がころがみこみ、またまた昔の生活に逆戻り。そんな彼らに麻薬密売のチャンスが訪れ…
スコットランドの現代を斬新に描いた映画で、日本ではミニシアターだけの公開ながら記録的なヒットとなった。とにかく仲間の5人を演じる俳優たちが嵌りまくっている。見ていて、「演じている」と感じたことは一時もなかった。特に、ドラッグはやらないが、すぐにぶちきれて暴力沙汰を起こすベグビーを演じたR・カーライル(後に悪役、個性派としてブレーク)が秀逸。そしてテクノ・ポップを斬新に取り入れた音楽も映画にぴったりマッチし、現実感をひきたたせる。
今後絶対に自分が陥らない生活を描いているものだが、これがとある外国の若者たちの実情なのだと再認識。昔はそんなことはしないだろうとは思いながら、こんな生活に憧れに似た羨望を描いていたこともあったか、と苦笑い。しかし、1990年代の「時計仕掛けのオレンジ」と評されているだけあって、斬新で、インパクトがあって、どこか今の普通の人々の隠れた欲望を騒ぎ立てる映画であることに間違いはない。