「ホワイト・クリスマス」 54年米 評価4(5点満点) メジャー度3
監督:マイケル・カーティス
出演:ビング・クロスビー,ローズマリー・クルーニー他
元第2次世界大戦時の少将が経営するウインターリゾート地のホテルが,雪が降らないため,経営難になっていた。そこに偶然泊まることになった元少将の部下で,大物スター(クロスビー)のコンビが彼に恩返ししようと,旅路で一緒になった姉妹ボードビリアンと共にクリスマスイヴにミュージカルショーを開催することにする。
楽しいミュージカルシーンに,スターコンビと姉妹との恋愛ドラマを織り交ぜ,気持ちのいい大人のクリスマス映画にしあがっている。マイケル・カーティスといえば「カサブランカ」が有名だが,娯楽映画の製作に見事な手腕を持っている。超有名な名曲「ホワイト・クリスマス」の使い方も見事(ラスト,舞台のセットを移動すると雪の降り始めたホテルの中庭が見えてくる場面も最高)で,ほろりとさせる場面も,大人の恋愛もあり,大人のためのクリスマス映画の定番となっているのもうなずける。
私は基本的に全編歌だらけというか,必要でない部分まで歌うミュージカル(「ウエスト・サイド物語」が主たる例)は嫌いである。しかし,ショーの部分が歌であったり、鼻につかない程度の歌ならストーリーさえ面白ければ好きである。「サウンド・オブ・ミュージック」「雨に唄えば」はかなり好きな部類に入る。そういう意味でこの映画はミュージカルとして許容範囲であるとともに、古き良きアメリカを感じさせ,ストーリーが楽しいので好きな映画だ。
たいていの映画ファンはそうだと思うが,ラヴロマンス的内容の映画の場合,相手役の異性が自分の好みかどうかでかなり映画の評価が左右される。ローズマリー・クルーニーは当時26才とはいえかなりふけているが、私の好みの顔で,"じゃじゃ馬的な妹を見守るしっかり者で恋に奥手のお姉さん"という役柄がぴったりはまっており,彼女とクロスビーの恋の行方に胸ときめいたものだ。正直言って,彼女が魅力的だから,評価が上がったといって差し支えないだろう。