「コンタクト」 97年米 評価4.5(5点満点) メジャー度4
監督:ロバート・ゼメキス
出演:ジョディ・フォスター、マシュー・マコノヒー他
宇宙の知的生命体発見に執着する天文学者エリーは、いまや流行らないその題材のために同じ科学者たちからはうとんがられている。しかし大企業の協力を得て調査を続け、約5年後についに宇宙からの電波信号をキャッチする。その信号を解読すると、そこには宇宙を瞬時に移動できる装置(一人乗り)の設計図が書かれてあった。その装置を作り、信号の発信地ベガへ向かおうとするエリーだが、宗教的な理由から乗組員になれなくなる。
信号の受信から、エリーが宇宙へ向かうまで(結果的に巨大企業の会長の力で宇宙にいけることになる)、息もつかせぬ展開。さすがは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズや「フォレスト・ガンプ」でヒット作を連発しているゼメキス監督だけあって、科学と宗教との相容れぬ思想、国家的な欲望という別次元のテーマを織り込みながら、軸がぶれることなく、見るものをくぎ付けにする手法はさすがというほかない。
公開当時、科学と宗教とを絡ませることで中途半端なSFになったとの評価もあり、賛否両論になったが、はっきり言って、「この広い宇宙に知的生命体がいないわけがない」という考えに同調できなければ、ただの夢物語のストーリーであり、夢物語であれば、SFとして中途半端ということだろう。私は、地球に宇宙人がくるというのは夢物語でも、兆を大きく超える星の数があるのに、生命が地球にしかないわけはなく、必ずどこかに宇宙人はいるはずだと考えているし、この映画の瞬間移動装置の原理が「そんな馬鹿な」と思われても、それは地球上の学問の限界の中での「馬鹿な」であって、どこかに地球人よりずっと優れた生命体がいて、ずっと優れた学問があればおかしいとは一概に言えないと思う。つまり、私の脳みその中では、これはとても現実的なSFであり、映画の作り方が一流であるため高得点になったし、再度見ても面白いと思う映画だろう。