「現金に体を張れ」1956年米 評価4.3


監督:スタンリー・キューブリック
出演:スターリング・ヘイドン、マリー・ウィンザー、ジェイ・C・フリッペン他

1996年、2025年8月観賞

 5年間の服役を経て刑務所から出たジョニーは競馬場売上金強盗計画を立てる。それに加担する4人に加え、計画全体を知らされずに協力する2名の計7名は事前の推考通りに計画を進めていたが、妻に計画を漏らしてしまっていた加担者の一人の男のせいで計画は破綻する。

 キューブリック初の60分を大きく超える長編映画で、彼の才能が評価されるきっかけとなった作品。85分という短尺ながら、主だった登場人物10人程度の性格描写や人生背景が端的的確で、雑なところは一作感じられない。また、時間経過を強盗計画参加者のそれぞれの役回りに応じて分解し、繰り返し描き出すのは今の映画界では珍しい手法ではないが、当時としては斬新。

 舞台が1950年代なのでどうしても今の感覚では古さを感じてしまうのだが、スピーディでサスペンスとしても上質、人間描写も手抜かりなく、娯楽映画としてとても高水準の傑作。