「劇場版 鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来」2025年日 評価3.8


監督:外崎春雄
出演:アニメ

2025年7月観賞

 漫画「鬼滅の刃」のクライマックス、鬼舞辻󠄀無惨と鬼滅隊の柱たちが戦う無限城編3部作の内の1作目で、鬼滅隊が無限城に落とされてから上弦の参・猗窩座を倒すまでが描かれる。

 全く「鬼滅の刃」を読んだことがなかった2020年の「無限列車」鑑賞時と比較すると、その後に原作漫画を読破、ネトフリでアニメ版もほぼ鑑賞済みという、知識はほぼ十分な状態での鑑賞という違いはある。

 まず、戦闘シーンを中心とした映像の華麗な美しさ、迫力はさすがに特筆に値するもの。柱たちもそれぞれに活躍の場が与えられており、例えば昔ウルトラマンシリーズで兄弟勢ぞろいという回(古い!)と同じ高揚感も感じられることは間違いない。

 ただ大きな欠点は、合間に挿入される過去シーンが多すぎるため、現在進行形の無限城でのスピード感あふれる戦闘が分断されること。この構成はもちろん「無限列車」においても観られたのだが、それは竈門炭治郎と煉󠄁獄杏寿郎が主であって、しかも血鬼術で眠らせられている間のことなので映画の流れの分断は感じられなかった。今回は上弦の鬼3騎と蟲柱と炭治郎と善逸、大きいもので計5つの回想が、しかも戦闘中に挿入されるため、どうしても全体の流れが悪い。

 これは漫画で読んでいたり、20分程度の一話ずつの中で描かれているのならそれぞれを消化しながら前に進めるので問題はないのだが、2時間半という一気通貫での鑑賞が求められる映画館鑑賞においては、どうしてもマイナスポイントにならざるを得ない。

 また、大作になるほど敵役が巨大化するという売れたシリーズ映画によく観られる点も気になった。これは原作の記憶が定かではなく間違っているかもしれないので評価に反映しないが、無惨はあんなに肥大化したっけ?無限城はあんなにも無限に広がったっけ?今後スムーズに収束するのか、気になってしまう。

 オールスターキャストが活躍するし、それぞれの回想に深い意味があることは原作を読んだ私も重々承知なので普通には楽しめるのは間違いないのだが、普通の映画ファンとして単純に一本の映画としての評価をすると、主題が明確で一本のぶっとい筋が作品全体を貫いている「無限列車」の方が魅力を感じる。