「リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス」2019年米 評価4.0


監督:ロブ・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン
出演:リンダ・ロンシュタット他

2025年5月観賞

 私が洋楽に嵌まり始めた1983年、リンダがリリースしたのは所謂ジャズ三部作の一作目「What’s New」。Nelson Riddleオーケストラとの共演となったこの三部作はジャズのポピュラーな名曲の数々を歌い上げており、とても聴き心地が良くて大好きだったが、70年代の彼女がカントリー、フォーク、ロックあらゆる分野でボーカリストとして金字塔を打ち立てていたことは、当然ほどなく知ることとなった。

 ほぼ作曲をせず、ボーカリストとして一時代を築いたというと男性ならロッド・スチュワート、女性ならダイアナ・ロスやバーブラ・ストライサンドと同じ位置づけになるが、ただ、彼女のヒット曲が過去のカバー曲が多いためか、私はあまり70年代のリンダに魅かれなかったので、本作を観て、80年代初頭には舞台でオペラを演じ、80年代後半にはカントリー/ポップスで大ヒットを飛ばしたのち、メキシコのトラディショナル・ソングを歌い、その後スペイン語のアルバムをリリース、それらすべてが大ヒットしているという、前代未聞のジャンルにとらわれない生粋のスーパーボーカリストであるとともに、歌うことが好きでしょうがないことが良く分かった。

 また、様々なジャンルで頂点を極めたことから、インタビューに登場するアーティストやら業界人が超大物で多彩ということも本作の魅力の一つ。稀代のアーティストの半生を知るのにとても良いドキュメントとなっている。

 因みにリンダが歌う曲の中で私が最も好きなのは、アニメ映画「アメリカ物語」の主題歌で、ジェームス・イングラムとデュエットした「Somewhere Out There」です。リンダの透き通った声の伸び、緩急のつけ方が群を抜いており、メロディもとても良くて聴き惚れます。