「JFK ディレクターズカット」1991年米 評価4.5


監督:オリバー・ストーン
出演:ケビン・コスナー、シシー・スペイセク、トミー・リー・ジョーンズ、ゲイリー・オールドマン、ジョー・ペシ、ケヴィン・ベーコン、ジャック・レモン他

1992年、2025年5月観賞

1963年11月22日にジョン・F・ケネディ大統領がテキサス州ダラスで暗殺された事件を調査し、まとめられたウォーレン報告書を1966年に読んだニューオーリンズ地方検事のジム・ギャリソンはその内容に疑念を持ち、調べていくうちに背後には政府も絡んだ巨大な陰謀があるのではないかと疑うようになる。

 真偽のほどはさておき、確かに大きな陰謀があったのではないかと思わせるほどの、事実の発見をスピーディに畳みかける手法は見事。この映画だけを見ると陰謀論こそ本質なのではないかと思わせるほどの熱量で、そもそもこのような真面目な素材がベースにあるドラマは私の好物なので、2回目となる今回もまさに食い入るように鑑賞することになった。

 かなり頻繁にギャリソンの家庭が崩壊していく様も描かれていて、それによりケネディ暗殺事件の真相を突き詰める過程においてややストーリーが脇道に逸れる感じを持つことになるのだが、最終的にこの映画でオリバー・ストーンが訴えたいのは、軍事という巨額の投資産業が絡む国家レベルの陰謀が行われる国では、将来、子供たちが大きくなった時にまともな国でいられるはずがない、ということだと思われるので、バランスが悪くても敢えて家族のシーンを多く入れたのだと思う。

 今回は206分のディレクターズカット版を観た。様々な登場人物が出てくるが、長い分、それなりにしっかり描かれるので、登場人物数の割に混乱することはないのだが、それでも3時間20分はさすがに長いと感じてしまう。なんだか、監督本人が、深入りするにつれ様々な違和感を持たざるを得ない事実が出てきてそれを全部映画にぶち込もうとした感が強い。なので、終盤の実業家クレイ・ショーの裁判シーンは、ショーの陰謀の一員となった疑惑ではなく、単にJFK暗殺の真相を暴くという側面が前面に出ていて、終結へのベクトルが別れたまま終息してしまうのでまとまりは悪い。