「恋しくて」1987年米 評価4.6


監督:ハワード・ドゥイッチ
出演:エリック・ストルツ、メアリー・スチュアート・マスターソン、リー・トンプソン他

1993年、2024年12月観賞

 高校生のキースは画家志望でちょっと人と相いれない性格。唯一の親友が幼馴染で女の子ながらドラムに打ち込むショートカットの男勝りのワッツ。ワッツは密かにキースに想いを寄せているが、キースは学校一イケてる女の子、アマンダに惚れてしまう。

 20代の時に大好きなロマンス映画ベストスリーに入ってきた作品。それを30年以上の月日を経て観てみようと思った今回、正直、以前のようにキュンと感動できるのだろうかと著しく不安に思っていたが、なんてことはない、やっぱり大好きだな~、観てよかった~と、照れながらも宣言したい気分。

 まずは、男勝りのツンデレ系ドラマーを演じるメアリー・スチュアート・マスターソンのキャラが超絶良い!一途な気持ちを持ちながら、幼馴染の恋愛成就に協力して、最後はその正直な気持ちが伝わってのハッピーエンドで、心からよかったね!と祝福できる。これはマスターソンのつぶらな瞳と演技力によるところ大。

 あと、今回気付いたのは、マスターソンのみならず、主役のエリック・ストルツ、リー・トンプソンとも、典型的な美男美女顔ではなくて、私好みの個性的な美貌なので、彼らが出てくるシーン総てが目福というか、何をしても全くストレスに感じないんだなぁ。

 いや、確かに都合の良かったり、お決まりの展開は多いと思うけど、それはどの映画にもあること。特に本作のように興味の焦点がロマンスに絞られるのならほぼ気にならない。主役の二人のみならず、トンプソン演じるいやな女の子も最後には好感度爆上がりになるし、欠点部分を補って余りある要素がたくさんある映画。

 いま振り返ると監督のドゥイッチと脚本のジョン・ヒューズは当時青春コメディ映画の傑作を数々送り出していたし、ドゥイッチは1989年にリー・トンプソンと結婚し、今に至るまでその関係を継続。そんな土台もあったのだなと思えるほどの安定感のある作品。その安定感の上で私的嗜好にビッタリ合致し、大好きなロマンス映画であることは不変であることを確認出来てよかった!