「ダイ・ハード」1988年米 評価4.4


監督:ジョン・マクティアナン
出演:ブルース・ウィリス、アラン・リックマン、アレクサンダー・ゴドノフ、ボニー・ベデリア他

1989年、1990年、2024年12月観賞

 クリスマス・イヴの日、ニューヨークの警官ジョン・マクリーンは、別居中でロサンゼルスにいる妻ホリーの勤める企業の自社ビル新築クリスマスパーティに招待される。しかし、そのビルの金庫に保管されている「6億4千万ドルの無記名債券」を奪うため、武装集団が乱入しマクリーンはたった一人で立ち向かうことになる。

 私はかつてはアクション映画をよく観ていたが、2000年代以降になってほとんど観ることがなくなった。元々ドラマ系が好きで、単純に映像的、ストーリー的にスカッとできればというだけでは満足度は上がらない性質なので、ド派手な物量アクション、スピード重視のボディワーク、普通の人間ではなしえないようなスタントに主眼が置かれ、ストーリーはほとんど類型化した最近のアクション作品群に観る価値を感じなくなっている。

 そんな今、現代でさえアクション映画の傑作のひとつとされている本作を34年振りに再鑑賞。ブルース・ウィリスが大ブレークした作品であり、髪の毛もまだしっかりあって(撮影時32歳なら当たり前か)若々しい。

 話の展開がスピーディで、設定やセリフの伏線回収もしっかしているし、そんなに警視やFBIはあほか?というところはあるが善悪もはっきりした中でユーモアもちりばめられていて、間違いなく娯楽作品の傑作だと思う。

 確かにアクションは現代の映画と比べればスピードはないし、驚くようなアクロバティックでもない。しかし、どんな訓練された人間だって、本来はそんなもんじゃないか?本作のブルース・ウィリスの男臭漂う佇まいや人間らしい悪態や生身の人間であることを感じさせる肉弾戦は、より一層感情を移入させられて、それもあるからこそ、本作はアクション好きだけでなく万人に受け入れられるアクション映画の傑作となっているのだと思う。