「グッド・ウィル・ハンティング」 97年米  評価4(5点満点) メジャー度4

監督:ガス・ヴァン・サント
出演:マット・デイモン、ロビン・ウィリアムス、ベン・アフレック他

 マサチューセッツ工科大学の清掃員であるウィルはずば抜けた頭脳の持ち主だが,子供のころ受けた親からの虐待により,本心を閉ざし,新しいことに挑戦する勇気を失い,人に裏切られることを恐れるあまり,友だちグループの中でたむろし,警察の厄介になる生活の中で満足していた。ところがある日,大学の廊下に書いてあった数学の難問を簡単に問いているところを教授に発見され,その能力を発見した教授により,さまざまな心理療法を受けさせられるのだが,なかなか心を開かない。ウィルの心を開いたのは2年前に妻をガンで泣くし,今はしがない心理学者であるショーン(ロビン)と大学生の恋人(ミニー・ドライバー)だった。

 マット・デイモンとベン・アフレックが五年間かけて書き上げた脚本だけあって、主だった登場人物7人の描写が丁寧で生き生きとしている。また,ウィルの‘天才’ぶりの描写も細かい。この作品の成功は,実際に若い大学生だった二人が書いた脚本にある。仲間達との馬鹿騒ぎ,ナンパ,恋人との駆け引き等にうそがなく、それでいて優しくラストに向かって行くのだから感動せざるを得ない。

 今の私でも一番感動した(琴線をはじいた)のはウィルと大学生の恋人とのやり取りだ。二人の恋の仕方(特にウィルのほうが)が実に子供っぽいが,現実的で,しかもノスタルジーを感じさせる。とても切ない気持ちにさせる。ミニー・ドライバーは97,98年ごろ、結構映画でみかけたが,特にきれいでもないし,なんで人気があるのか不思議だったが,この映画の役どころは嵌っていて,魅力的だ。もっと若い時に見ていれば多分5点をつけていただろう。