「三十四丁目の奇蹟」 47年米  評価4(5点満点) メジャー度3

監督:ジョージ・シートン
出演:モーリン・オハラ、ジョン・ペイン、エドモンド・グーエン他

 クリスマスシーズンに盛り上がるニューヨーク。ある百貨店のクリスマスパレードにサンタクロースとして雇われた老人は、その人柄と正直な心でみんなの人気者になるが、頑なに「自分は本当のサンタクロースである」ということを否定しないため、彼を疎んがる大人から精神病院に入れられてしまう。しかし、裁判で大人達の思惑や,子供達の手紙により,彼は公にサンタクロースと認められるのであった。

 古き良き時代のアメリカ映画という臭いぷんぷんの作品である。ちょっと,あまりに良心的なセリフが多いし、善人・悪人の登場,主人公の恋愛等お決まりの展開ではあるが,この映画が,ながきにわたってカルト的な人気を保っている要因は、この映画の本質が、彼が本物のサンタなのか、ただ単に自身が勝手にそう考えている人の良い老人なのか、それは見る者の判断にゆだね,強要しないという大人子供どちらにも納得のいく結末を持っているからだろう。

 とにかく,この映画の成功は,サンタ役のエドモンド・グーエン(アカデミー助演男優賞受賞)のなりきりぶりである。本当にこれならサンタがいてもおかしくないと思わせるものがある。