「シェーン」1953年米 評価3.5
監督:ジョージ・スティーヴンス
出演:アラン・ラッド、ヴァン・ヘフリン、ジーン・アーサー他
1990年、2024年8月観賞
南北戦争後のアメリカ西部開拓地。流れ者のガンマン、シェーンはある開拓者の家に住むことになるのだが、その土地は昔からの開拓者が利権を主張し、暴力をもってしても新参者の開拓者を追い出そうとしていた。
ストーリー的には西部劇にありがちで特徴はない(34年ぶりの鑑賞とはいえ、ほとんど記憶になかった)が、凄腕のガンマンであるシェーンの実力は上映時間118分の最後の5分まで披露されることはなく、その溜めに溜める演出および少年の「シェーン、カンバーック」により、ラストはすさまじい切れ味があり、その5分間により永遠の名作になりえた作品。また、ラストのシェーンのセリフだけで流れ者の悲しき定めを一気に表現しているのも見事。
その溜めた演出は見事ではあるものの、仲間を殺されもした新参開拓者のグループが何の解決策も出さずに、ただ根性論でその地に居残ろうと結束を謳うところや、シェーンが世話になった開拓者の奥さんが、立派な旦那がいるのにシェーンに色目を使ったりする、なんか緩い展開が古さを感じさせてしまう。また、優男風のアラン・ラッドの風貌は、本作の好き嫌いに影響を及ぼすかも。