「用心棒」1961年日 評価4.6
監督:黒澤明
出演:三船敏郎、仲代達矢、山田五十鈴、司葉子、土屋嘉男、東野英治郎、志村喬他
1989年、2023年12月観賞
一人の用心棒がふらりとある宿場町にやってきた。彼は飯屋の親父から、その町が賭場の元締めと、それとの跡目相続に不満を持って独立した一家との抗争によって荒廃していることを聞き、双方を戦わせ共倒れにするための策を練る。
完全にエンタテイメントに徹した作品。そもそも、一浪人がなぜ命を張って宿場町の抗争を収めたり、妾を救ったりしようと思ったのかというような細かいところはお構いなしに、勢いでストーリーは進行していく。三船敏郎、仲代達矢、山田五十鈴といった主要人物のキャラが立っていて、とにかく楽しむことに特化し、テンポよく転換していく脚本が凄い。また、人を切るときの音とか、血しぶきの描写などの斬新で革新的なアイデアも取り入れつつ、名カメラマン宮川一夫の撮影技術による名場面のオンパレードにも唸らされる。世界の多くの映画監督が本作を名作と崇めているのも納得の娯楽大作。理屈なしに楽しむのが正解だろう。
まぁ、この時代の日本映画のセリフの聴き取りづらさはあって、2,3割は聞き取れない感じなのだが、それでも面白さは損なわれない。