「プロミシング・ヤング・ウーマン」 2020年米 評価4.1
監督:エメラルド・フェネル
出演:キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー、クランシー・ブラウン他
2022年8月観賞
コーヒーショップで働く30歳独身、両親と同居中のキャシーは、以前は医大で優秀な成績を修めていたものの、親友を襲ったある事件をきっかけに大学を中退して今に至る。しかし、キャシーには昼と異なる夜の顔があった。
アメリカでは酒姦パーティが頻繁に行われているのかもしれないので、7年前の出来事ってそう簡単に忘れるのかという違和感はとりあえず素通りしたいところだが、でも、30歳の時に23歳の頃の記憶が簡単になくなる訳はなく、やっぱり変だという気持ちを持ったまま鑑賞することになったが、途中、ハッピーエンド方向に流れつつも、いやまだ上映時間の半分ぐらいだぞ、これからどうなるのだろうと期待していたら、いやいやなかなかない方向に展開していって、アカデミー脚本賞を受賞したのも納得の、よく練られた脚本がとても面白い。
撮影時34,5歳のキャリー・マリガンはとても設定の30歳には見えなかったが、ストーリー上の事件後に苦労したのだろうと解釈出来、とても役柄にあっていたと思う。また、私が苦手の血みどろシーンは皆無であることも好ましく、娯楽作品としてよくできている。
ただ、酔ったふりする自分に声をかけてきて終いには体を奪おうという男に対し、数百人規模で復讐してきたという行為の実態がわからないので、そんな規模で復讐していたら近郊で有名な危険人物として普通には生きていけないだろうし、そういうことを女ひとりでやってきたほどの肉体的強さを持っていないというのがラストの悲劇にもなっていて、その点はちょっと辻褄は合わない。