「アメリカン・ユートピア」 2020年米 評価2.7
監督:スパイク・リー
出演:デビッド・バーン他
2022年8月観賞
元「トーキング・ヘッズ」のフロントマンのデビッド・バーンが2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」を原案に作られたブロードウェイのショーを、スパイク・リーが映画として再構築した作品。
80年代に洋楽マニアだった私だが、同時代に「ストップ・メイキング・センス」というヒットアルバムを発表していた、おしゃれでインテリ系の雰囲気のあるトーキング・ヘッズというグループに全く魅かれなかった。しかし、本作はとても評価が高いようなので鑑賞。
芸術的な作品にネガティヴな評価を書くのは憚られるが、正直に言うと、打楽器を中心とした音と動きのパフォーマンスは素晴らしいとは思うし、多国籍のメンバーを選抜した上での主義的なバーンの主張も見どころとは思うものの、結局はミュージックライヴを映した作品。トーキング・ヘッズ及びデビッド・バーンの音楽の好き嫌いが本作の評価に影響することは否めず、元来私は好きではないため、退屈せずには観られたという範疇は出ない。
これはきっと多くの鑑賞者が感じるものと思うが、トーキング・ヘッズとデビッド・バーンを好きなら抜群に評価は上がるだろうし、そうでない、または知らない人には映画としての評価はそこそこに落ち着くはず。例えばこれが、私の愛するエルトン・ジョンの1995年のパーカッショニストのレイ・クーパーとのたった二人での公演(武道館で2回鑑賞)の映画だとしたら、間違いなくその類の映画の最高評点を献上しただろう。そういう類の映画。