「ジョジョ・ラビット」 2019年米 評価3.2
監督:タイカ・ワイティティ
出演:ローマン・グリフィン・デイヴィス、トーマシン・マッケンジー、サム・ロックウェル、スカーレット・ヨハンソン他
2022年6月観賞
第二次世界大戦中、敗戦濃厚なドイツ軍のユースキャンプに参加した、ヒトラーを敬愛する少年ジョジョは戦地から戻らない父の代わりにイマジナリーフレンドのアドルフ・ヒトラーとの会話により自らを鼓舞していた。ところがある日、母親が屋根裏にユダヤ人の少女を匿っているのを発見した。
私は基本的にドラマ系の映画が好きなので、冒頭からのそんな訳ないじゃんという描写と展開から、この映画は、例えば私にとって評価の低い「ライフ・イズ・ビューティフル」と同様、御伽噺としか捉えられない状況となる。第二次世界大戦を扱った御伽噺的なものとしては「ベルファスト」やチャップリンの「独裁者」があるが、本作は前者ほど真面目には描かれていないし、コメディという要素は後者に全く及ばず、1時間を経過する前半部分は、こりゃ好みの映画じゃないなとだれ気味になった。
ところが、母親が家にユダヤ人少女を匿っていることが判明した以降はなかなかシビアな内容になり、それでも時折無茶な描写があるために御伽噺という枠から全く抜け出せないのだが、後半はなかなか面白かった。
まぁ、今は本作のようなソフトな内容でないと映画としては売れないだろうから、戦争を題材にしていても或る意味おちゃらけた感じになるのだと思うが、史実に基づく厳しい内容の映画をこれまで観てきて深く考えさせられた私からすれば、正直、本作に心が震えることはない。戦争もこんな風にソフトに描かれるか、ドキュメントのように全く厳しい内容になるかの両極端になっていくのだろうか。
ちなみに、ユダヤ人少女を演じたトーマシン・マッケンジーの顔の造形が全くの好みなので、彼女のおかげで少々評価は上がるのだが、「OLD」のハイティーンの少女役とは全く気付かなかったぞ??「OLD」時は骨太な感じで本作より結構太っていてあまり魅かれなかった。ちょっと注目したいと思うのだが。。。