「理由なき反抗」 1955年米 評価3.0

監督:ニコラス・レイ
出演:ジェームズ・ディーン、ナタリー・ウッド、サル・ミネオ他

1984年、1988年、2022年5月観賞

 前の住処でトラブルを犯してドーソンに引っ越してきた高校生のジムだったが、新学期の開始初日から不良グループに目を付けられ、ナイフでの決闘は人に見つかり中断。その夜にジムと不良グループのリーダーの2人は、崖に向かって別々の車で同時に走り出し、先に運転席から飛び出した者が負けとされる“チキン・ラン"と称する度胸試しをすることになる。

 わずか1日ちょっとの出来事を描いており、その展開の拙速さが気になるものの、「チキン・ラン」まではジミーの魅力もあって見どころがあるが、それ以降が急にだれてくる。描かれている期間が短いため、登場人物の人格の掘り下げが甘く、彼氏が死んですぐのジュディと事故の当事者でもあるジムの廃墟での他愛のないやり取りへの展開がおかしい。また、せっかく少年保護課の警部もジムの両親も、前半は良い登場の仕方をしているのに上手く使われないため、ラストに向かって盛り上がっていかないし、そんな終わり方でいいの?という尻つぼみ状態。

 「エデンの東」で衝撃デビューを果たしたジミーがその勢いのまま主役に抜擢されて製作された作品という感じ。ジミーと赤のマクレガーのアンチフリーズジャケットはカッコいい(なのに、なぜDVDジャケットでは濃紺??)。

 撮影当時、ナタリー・ウッドもサル・ミネオも16歳だった(それにしてはウッドの凄い色気よ)が、ジミーは24歳。この実年齢差は、やはり今観ると結構違和感を感じる。十代の中になぜか20代がいるという感じ。