「明日に向かって撃て」 1969年米 評価4.5
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
出演:ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、キャサリン・ロス他
1986年、2022年5月観賞
1890年代の西部。強盗団のリーダー的存在であるブッチ・キャシディとサンダンス・キッドは家畜を盗み、銀行強盗などを繰り返しつつも、いつかは牧場主になることを夢見ていた。しかし、彼らの被害にあった銀行主は金に糸目をつけずに二人を追う追跡団を組織。二人は徐々に追い詰められていく。
本作の内容が、実在した人物とほぼ史実をベースにしているというのがまず驚くが、破滅に向かっていくストーリーでありながら、冒頭からの「雨にぬれても」をバックにした女友達との戯れといった緩い空気から、残り2/3ぐらいは追跡団に追われ段々と切羽詰まっていく展開となり、しかしその中でも適度なユーモアを加えて、緩急のつけ方が絶妙。
また、冒頭の昔の時代の印象を与える動画、セピア色の映像からカラーへ。バート・バカラックの音楽に、写真のみによるストーリー語りなど、西部劇の範疇でありながら映画としての魅力にあふれており、映画評に「粋」という評価軸を設定したとしたら、間違いなく最高峰に位置する映画。
本作が初めてのメジャーデビューとなるレッドフォードは、まだハンサム・ガイというよりはタフ・ガイというイメージで、堅物だが少し頭が弱い凄腕ガンマンを演じて、その後のハンサムというイメージとは違う魅力を発散している。これにすでにスターだったニューマンと、「卒業」でブレークしたキャサリン・ロス、出演者はほぼこの3人のみで進行していく展開ながら全く飽きることはない。犯罪者だが魅力的、暗い展開でも乾いた明るさを感じさせ、会話にユーモアが漂う。。。そう、これは日本人にはお馴染みのルパン三世&次元大介というアニメ史上最も素敵なバディと一緒。なんとも魅力的な二人組&ガールフレンド(どちらにも適度な距離を置く様は峰不二子っぽくはある)が作る、まさに映画のマジックというべき雰囲気はこの映画特有のもので、作ろうとして作れるものではない。