「パワー・オブ・ザ・ドッグ」 2021年英豪米加新 評価3.4
監督:ジェーン・カンピオン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キルスティン・ダンスト、ジェシー・プレモンス他
2022年4月観賞
1925年モンタナ州。牧場主のバーバンク兄弟の兄のフィルは一匹狼で我が道を往く実質的なリーダー。弟ジョージは心優しい常識人。ジョージは近所でレストランを営む高校生の息子を持つ未亡人ローズと結婚。しかしフィルはこれを快く思わず、夫婦に向かってストレスとなるような行動をとり続ける。
カンバーバッチはダニエル・デイ・ルイスを彷彿とさせる癖のあるカウボーイを好演。確かな役者と広大で美しい風景、表現しすぎない演出でありながら徐々にフィルの性癖を描いていくことで、あまり起伏のないストーリーでありながら目が離せない。アカデミー作品賞本命と言われていただけあって、間違いなく良い映画だと思う。
ただ、良い映画なのだがいまいち私の胸に刺さってこない。その理由は内容が現代に何かを示唆しないからなのか、演出の仕方なのかはわからないが、この感覚は「ピアノ・レッスン」の時と全く同じ。