「パッチギ!」 2004年日 評価3.2
監督:井筒和幸
出演:塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、楊原京子、尾上寛之、真木よう子他
2021年7月観賞
1968年京都。東高校の二年生康介はある日出会った朝鮮高校の女生徒キョンジャに一目惚れしてしまう。しかし東高と朝鮮高校の生徒は常日頃対立・衝突を繰り返し、キョンジャは朝鮮高校の番長アンソンの妹だった。康介は彼女の気を引くため朝鮮語を学び、また彼女が学校で演奏していた曲が「イムジン河」であることを知り、ギターでの弾き語りを練習し始める。
在日朝鮮人と日本人の高校性の対立がベースにあり、在日朝鮮人の苦労も描かれているが、あまりそこにこだわってみる必要はなく、単純に若者たちの喧嘩と、異なる境遇の男女の恋物語を主軸として観ればよいのだろうと思う。前者は「けんかえれじい」(1966年)的な(決して相手を殺そうとしているわけではなく、一定のルールの中でやり合う)清々しさがあるし、後者は「ロミオとジュリエット」的なシチュエーションでまずまず魅力的ではある。
しかし、朝鮮半島の和解と朝鮮人と日本人の和解に引っ掛けた内容にはしているものの、そこは決して深掘りされないし、出演者もほぼほぼ日本人だらけで、ストーリも結構雑に展開していくので、よくある話で、青春映画としてまずまず良い出来という以上には感じられない。
なお、ヒロイン役の沢尻エリカは顔が好みではないのでヒロイン加点はないのだが、高校生役らしい肉付きの良さは役柄として好感が持てる。