「桐島、部活やめるってよ」 2012年日 評価3.8


監督:吉田大八
出演:神木隆之介、橋本愛、東出昌大、山本美月、松岡茉優、大後寿々花他

2021年6月観賞

 ある高校のバレーボール部の部長である桐島が部活を辞めるという。彼の属するクラスのグループ、桐島の彼女のグループ、同じクラスの目立たない映画オタクらの様々な視点から桐島を巡る4,5日間の高校生活が描かれる。

 自分の時代とは30年近い隔たりはあるものの、高校時代を彷彿とさせる朝井リョウの原作は大好き。同じ場面を独立した5編から描くという特異な構成の小説から醸し出される高校時代の瑞々しさを表現できているかが気になっていたが、そこはなかなかうまく映像化したな、という感想。時代は異なっても、ちょっと田舎の高校を描いているからいいんだろうな、と思う。私の時代にもあったいつの時代でも普遍性のあるスクールカースト。その中で生徒たちは何かを感じて生きていたはずで、それは今から思うととるに足らないこと、ちょっとずれていることだったかもしれないが、それが当時の生身の感覚だったことも疑いようのない事実で、その時代の匂いを感じさせてくれる良作。

 本作を観ての一番の収穫は、最近色々とプライベートでの話題が提供されている東出昌大(背が高くて顔もカワカッコ良くて声が低くて魅力的じゃないか!)や、映画に引っ張りだこの橋本愛(個性的な美人)や山本美月など、今や演技派として活躍している女優たちの顔と名前がやっと一致したところ。一番印象に残るのは、クラス一の美少女に阿る役柄の松岡茉優だな。